【Health Science Blog】Vol.1:「日光を浴びないとどんな問題があるの?」

2020年は、コロナウイルスとの戦いに追われた1年となりました。

そして、ワクチンの開発など明るい話はあるものの、2020年の年末を迎えた現在、未だに出口がはっきりと見える状態ではないのが現実です。

厄介なのは、感染を避けるためには様々な自粛を行う必要があるということです。

私事になりますが、私も2020年のほとんどをオーストラリアの自宅兼オフィスにて独りで過ごすことになりました。

私が住んでいるメルボルンでは、外出に対して厳しい規制がかかり、ピーク時には「1日に1度自宅から5㎞圏内にて(1時間以内で)買い物と運動をする以外は自宅から出てはいけない」という状況が数カ月続きました。

これにより、コロナウイルスの蔓延は2020年の年末メルボルンのあるビクトリア州においては、封じ込めに大きく成功したと言えますが、他の健康被害が生まれてきました。

例えば、筋力低下、血液循環の低下、メンタルヘルスの低下など、自宅で閉じこもることには大きな弊害もあります。

その中、私自身も体調を壊して病院で診断された症状が

「ビタミンD欠乏症」です。

日光に当たることでビタミンDを得ていた私たちが自宅などで自粛をして日光を浴びないと生じることになりやすいビタミンD欠乏症ですが、どのような健康被害が生まれるのでしょうか?

そして、その対策としてはどういったものがあるのでしょうか?

今回は、まとめ論文から抜粋して情報をお届けいたします。

原著論文に関してはオープンソースとして閲覧可能です。

Nair, R., and Maseeh, A. 2012. Vitamin D: The “sunshine” vitamin. Journal of Pharmacology and Pharmacotherapeutics, 3 (2): 118-126.

ビタミンD欠乏症は、世界人口の半分くらいに影響を与えています。その理由は、ライフスタイルや環境問題などによって、太陽の紫外線が皮膚にあたることで作られるビタミンDを減らすことが挙げられます。

ビタミンD欠乏症によって生じるリスクは以下の通りです。

心臓病
骨折
転倒
自己免疫疾患
インフルエンザ
タイプII 糖尿病
うつ病
大腸がん
高血圧
肥満
認知症
パーキンソン病(可能性あり)
また、寿命が縮むことも報告されています。これらを避けるために、ビタミンDのサプリメントを取ることが推奨されています。

ビタミンDにはD2とD3があり、人が日光を浴びて精製するのはD3となります。D2は、鮭やサバなどの魚や太陽を浴びたキノコなどから摂取できます。ビタミンDは、リンパに吸収され静脈に入ります。肝臓と腎臓の酵素によって、ビタミンDは変化し、カルシウムとリンの吸収を、それぞれ30-40%・80%ほど向上させます。

日焼け止めクリームを塗ると、(これについてはまだ結論は出ていないものの)95%程度ビタミンDの精製を抑制してしまいます。また、肌の色が濃い人の方が、ビタミンDの精製にはより日光を必要とします。

食事だけでビタミンDを補うことは難しく、日光に当たることが大切になります。宗教上の理由や日焼け防止のために日光に当たらないことが、ビタミンD欠乏症を引き起こす可能性が高くなります。

以上、簡単なまとめになります。詳しく知りたい方は、オープンソースになっている論文をご参照ください。

外を歩かないと日光には当たりにくいですが、上記にもあったように転倒や骨折のリスクが高くなってしまうビタミンD欠乏症。

アウトドアのウォーキング時には、ぜひISEALインソールをご活用ください。

(文章:ビクトリア大学 長野放博士)

vitamin D insufficiency