Pilatesの科学的根拠 Vol.1

〝Improvements in cognition, quality of life, and physical performance with clinical Pilates in multiple sclerosis: a randomized controlled trial″   (トルコ:2016年)

 

2019年、あけまして、おめでとうごいざます!

PCA(Pilates Commitment & Alignment)を主宰している更科枝里です。

最初の英文から想像がついたかもしれませんが、先日、ピラティスの効果の論文執筆のため、先行研究をまとめている時に、ふと、折角なら、ピラティスを愛する方々に、英論文の要約だけでも和訳をシェアできれば♪…と思い立ち、ブログを始めようと思いました。

本年もよろしくお願いいたします!^^

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さて、この論文は、多発性硬化症という中枢性脱髄疾患のある方に、クリニカル・ピラティスを行って、認知力、QoL(生活の質)、運動遂行能力が向上したかどうかについて書かれています。 a randomized controlled trialとかかれているのは、無作為化対照試験といって、研究レベルでは一番質の高い研究デザインであることを示しています。

それでは、Abstract(概要)だけですが、ご一緒に見て参りましょう!

 

目的】この研究の目的は、多発性硬化症患者におけるクリニカル・ピラティスの効果を明らかにすることである。

 

対象・方法】20人の多発性硬化症患者がこの研究に登録した。参加者はクリニカル・ピラティス群とコントロール群の2グループに分けられた。

・認知機能(Multiple Sclerosis Functional Composite)

・バランス(Berg Balance Scale)

・身体能力(Timed Performance Tests, Timed Up and Go Test)

・疲労度(Modified Fatigue Impact Scale)

・鬱尺度(Beck Depression Inventory)

・QOL (Multiple Sclerosis International Quality of Life Questionnaire)

以上が、すべての参加者の治療の前後に測定された。

 

結果】クリニカル・ピラティス群では、治療の前後、バランス、身体能力(Timed Performance Tests)、疲労度と認知機能(Multiple Sclerosis Functional Composite)に統計的に明らかな違いがみられた。私たちは、コントロール群では、治療の前後間で、運動遂行能力(Timed Performance Tests、Timed Up and Go Test)と認知機能(Multiple Sclerosis Functional Composite)、明らかな違いを発見した。差分解析によると、両群においてグループ間の測定結果を比較した際、クリニカル・ピラティス群が有利な状況で、Multiple Sclerosis Functional CompositeとMultiple Sclerosis International Quality of Life Questionnaireに明らかな違いがあった。クリニカル・ピラティスは従来の運動と比べて、認知機能とQOLを向上させた。

 

【結論】多発性硬化症の治療において、クリニカル・ピラティスは理学療法士によって包括的なアプローチとして使用すべきであろう。

 

参考:対象者の年齢層

Pilates群11名(47.2±9.5歳)、コントロール群9名(49.7±8.9歳)。

 

論文のより細かいところを見てみると、どんな方法でそれを証明したのか、クリニカル・ピラティスではどんなことを行ったのかなどが書かれています。

次回は、システマティックレビューといって、今日のような一つ一つの研究をまとめて、どんな傾向にあるかを伝えた論文をご紹介しますね。

 

更科 枝里(Eri SARASHINA)

ラジオ番組 #Ellie社長のBeautiful Love World #Radiotalk
https://radiotalk.jp/program/19688

筑波大学大学院の修士課程では、後期高齢者を対象に、歩行機能と認知機能に関する研究をし、博士課程では、産官学連携をキーワードに健康促進システムの開発の研究をしている。また、事業家として、世界と日本をつなげる株式会社Global Bridge(Victoria Universityのスピンオフ会社)では副社長を担い、「インソール」と「3D動作解析」の事業を、筑波大学のベンチャー企業である株式会社Global Wellbeingでは代表取締役を担い、オーストラリア政府認定「ピラティス学位」を日本で取得できるピラティス学校と、附属スタジオなどを経営している。