【ClLASSY.(8月号)にご紹介されました!】

PCAは、「CLASSY.愛読者にふさわしい!」とご連絡いただき、
「女性輝く!自分磨きスクール特集」に取材していただきました。
(二次使用の許可を得て、ご案内しています!)

CLASSY.:PCAサラシナ様

CLASSY.6月28日発売号表紙

本校は、クリニカルなシーンでも役立つPilatesの実技と理論を学ぶ
「インストラクター養成コース」を展開しています。

また、その技術は、
プロのバレエダンサーやアスリートの質を高めるコンディショニングから、
サイボーグ・ロボットなどを使用した脊柱損傷のプログラム開発にまで、
確かな成果を上げてきました。
(Instagram:@eri.love.world)

バレリーナのような体づくりを目指すコースや、ロボット治療のコースも、
お届けしてまいります。

更に、オーストラリアVictoria大学の語学Certificate取得に向けた新事業も
これから大きく展開していきます!!!どうぞ、お楽しみに♪

PCAアドバイザーDr. Hanatsu開発の姿勢改善やO脚予防にもなるインソールは、
子供の上履きに搭載されたり、大手企業とトレーニング効果のあるスリッパ開発をし、
多くの方々に、その効果を喜んでいただいています。
(Instagram:@dr_hanatsu)

更に、最新科学を伝えるYouTube番組も作成しています。
(Instagram :@gon.micro)

今後もPCAの様々な企画にご注目いただけましたら嬉しいです!!
よろしくお願いいたします。^^

「今度宇宙船に乗り込むんだけど、宇宙行く準備しなくちゃ!」【痛快科学番組】Vol.14

痛快科学番組!ゴンちゃん&ミクロちゃん ー世界と宇宙の秘密を明かす旅ー

■第14話のあらすじ■
ゴンちゃんとミクロちゃんは、宇宙に行きたくて仕方ありません!ミクロちゃんは、タイムマシンを作るヒントを探すため。ゴンちゃんは宇宙の美味しいご飯を食べるため。でも、宇宙船って隠れて乗っても大丈夫なのかなぁ?

https://youtu.be/7blRCUBhZYM

■物語の内容■
『ノア・アーク・サイエンス・アカデミー』に通う犬っころの「ゴンちゃん」とネズミっころの「ミクロちゃん」。学校に通う傍らで、科学者(マッド・サイエンティスト)の「はなつ先生」に、地球や宇宙の神秘について学んでいます。
ゴンちゃんは世界の飢餓の問題解決のため、食べ物の3Dプリンターを開発しようと、時に大粒の涙をこぼしながら頑張っています。ミクロちゃんは、学校一の優等生。タイムマシンを作り恐竜時代に行き、エネルギー問題を解決したいと考えています。
まだ明らかになっていない秘密に挑んで行く2匹と1人の科学旅番組!チャンネル登録、よろしくお願いします!!!
(キーワード:「痛快科学番組」を検索してね!)

Instagram:@gon.micro

子どもや若者の科学離れを解決するために、今までわかっていることや、これから明らかにしてほしいことを織り交ぜながら、科学に興味を持ってもらいたいと願い、番組作成を開始しました。これがきっかけで、世界や宇宙に希望を持ち、生きる楽しみを広げるきっかけになれば幸せです。内容はできるだけわかりやすくポップにお伝えしていますが、大人でも楽しんでいけるように本格的な内容を扱っています!

【Health Science Blog】Vol.21 「中高年の運動にはどのようなメリットがあるの?生理学的観点から健康促進の運動を考える!」

運動は、どの年齢層においても
大切になってきますが、競技性の高いスポーツではなく健康促進を目的とした運動において、中高年層の人たちにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

もちろん、漠然と「運動は健康に良い!」と理解している人は多いと思いますが、今日はもう少し詳しく、どのような運動をすると何に良いのかを、運動生理学の観点から紐解いていきます。
 
(ちなみに私は、本職はバイオメカニクスですが、Austin Healthというオーストラリアの病院団体から名誉生理学者にも認定されています!)


■高齢化が進む社会において

準備が必要な自分のための健康促進日本は世界でも最大の超高齢社会であります。医療費は増加する一方で、苦肉の策として医療費の負担を増加させたり、年金がもらえる時期が遅れたり、額が減ったり・・・これらは、何かしら抜本的な改革が無ければこれから先も続いていく傾向になります。

抜本的な改革の一つとしては、「予防」が挙げられます。そのためには、最もシンプルに考えて、皆が健康になっていく必要がある、ということです。「予防」というのは、意識して取り組まないといけないことで、ついつい後回しになりがちです。なぜなら、比較的健康な時に取り組むことが「予防」になるのですが、人間は悪くなってから行動をする方が多いからです。

今回は、運動と「持久力・骨密度」の関係性について勉強していきます。

■持久力について
基本的に、年齢と共に持久力は落ちていき、この絶対的な傾向を止めることはできません。しかし、運動を行うことで、低下の速度を遅くしたり、今現在よりも改善することは可能です。結果として、適切な運動を行えば、実年齢よりも若い人達以上の持久力を手にすることは可能です。(図1 最大酸素摂取量)

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持久力は様々な指標がありますが、VO2Max(最大酸素摂取量)が良く使われる指標です。加齢によって、最大酸素摂取量は下がりますが(20歳以降、毎年1%ずつ下がると言われています)、その原因として運動不足と体脂肪率の増加が挙げられています。つまり、運動を行い、体脂肪率の増加を防ぐことができれば、最大酸素摂取量の低下は、ある程度防げるということです。

ただ、体を鍛えている人の方が最大酸素摂取量の低下が著しいという報告もあります。これは、矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、「運動をしている方が最大酸素摂取量は高いが、前述したように1年で1%ずつ低下していった場合、下がり幅は最大酸素摂取量の高い方が大きくなる」ということです。

■骨粗しょう症のリスクについて

(図2 骨粗しょう症)
特に50代以降の女性に多い骨粗しょう症ですが、骨折の大きな原因となります。骨粗しょう症はエストロゲンの分泌と関連しています。

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(図3 年齢とエストロゲンの減少)
エストロゲンは、破骨細胞の活動を抑制する効果があるため、エストロゲンの分泌が減ると破骨細胞の活動が活発化し、その結果骨粗しょう症になりやすくなります。

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基本的に思春期あたりで高い骨の重さを得ることになり、緩やかに25歳くらいまでは骨の重さは増加していきます。この期間に運動をしておくことが、後の骨密度と関連してくるので、予防の観点においても、10代~20代半ばの運動とカルシウム摂取は重要になります。カルシウムは毎日1200~1500mg摂取することが、高年層にとっては大切になります。

運動は、骨に適度な振動を与えることが重要になります。もちろん衝撃が強すぎれば、逆に結合組織を損傷させる危険性がありますが、全く衝撃が無いと、骨を強く保つのが難しくなります。例を挙げるのであれば、無重力空間で生活する宇宙飛行士にとっては、骨粗しょう症は大きな問題となります。また、水泳などの衝撃が少ない運動を行っても骨密度を維持することにはあまり役立たないことが知られています。

関節炎を伴うと関節に衝撃をかけることが難しくなり、運動不足に陥りやすくなりますが、しっかりと骨に衝撃を与えることも重要なため、この辺りのバランスを保ちつつ運動を行うことが重要になります。

運動を行う際は、単に歩いたり自転車に乗ったりと同じ運動の繰り返しよりは、様々な種類の筋肉を使う運動を選択することが大切になります。また、長く1回の運動を行うよりは、1日の中で2~4回に分けて行うほうが、骨の密度を向上させる可能性が高いとの報告があります。

自転車や水泳などは、骨折からの回復時や関節炎に伴う痛みがひどい時に選択すると良いでしょう。1週間に2~3時間の運動が、高年層の目標として掲げられています。

■まとめ
これらのことをまとめていくと以下のことを実践すると良いと思われます。
• 1日10分の運動を朝・昼・晩に分けて行う。
• 朝・昼のどちらかは、外でのウォーキングを行う。
(日光からビタミンDを摂取することでカルシウムの吸収率を上げる)
• 可能であれば、グループでの運動も週に1度は行う。(例:テニスなど)
• 柔軟性や筋力の向上も試みる。

ここに書かれているガイドラインは、健康な人達にとっての最低レベルと考えてください。逆に、現在運動機能に問題のある方にとっては、目標となるレベルになります。

最後に・・・外をウォーキングする際は、転倒予防のためにもISEALインソールをご活用ください。
転倒は、骨折に至る可能性が高いため歩行中のバランスを安定させ、つまずきによる転倒のリスクを減少させるISEALインソールは役立ちます。
www.iseal-insole.net/jp 

また、物理学を基に、タイムマシンの完成を目論むネズミのミクロちゃんと陽気なゴンちゃんの痛快科学番組をYouTubeで始めました。
こちらもチャンネル登録のほど、よろしくお願いいたします!
https://www.youtube.com/channel/UCtLhCSgGvMYVr3haHItU-9Q 

(文責:Dr Hanatsu Nagano)

Rubin, CT., Lanyon, LE. 1985. Regulation of bone mass by mechanical strain magnitude. Calcified Tissue International, 37: 411-417.
Smith, EL., Gilligan, C. 1987. Effects of inactivity and exercise on bone. The physician and Sportsmedicine, 18: 314-317.

「時代を作る天才発明家になってみせるよ!」 エジソン【痛快科学番組】Vol.13

痛快科学番組!ゴンちゃん&ミクロちゃん 
ー世界と宇宙の秘密を明かす旅ー

■第13話のあらすじ■
今日もゴンちゃんとミクロちゃんは、仲良く「はなつ先生ごっこ」をしていました。ミクロちゃんは、照明係の練習をしていて火傷をしてしまいます。あれっ?電気は誰が発明したんだっけ?
https://youtu.be/L-GBFgWTiao

■物語の内容■
タイムマシンを作り恐竜時代に行きたいネズミの「ミクロちゃん」。
食べ物の3Dプリンターを開発して食べ放題したい食いしん坊の犬っころの「ゴンちゃん」。
実は宇宙会議に呼ばれている科学者の「はなつ先生」。
科学の魅力を教えてもらいながら、地球や宇宙の神秘を知り、まだ明らかになっていない秘密に挑んで行く2匹と1人の科学旅番組!

《YouTube科学番組スタートしました!》

子どもや若者の科学離れを解決するために、今までわかっていることや、これから明らかにしてほしいことを織り交ぜながら、科学に興味を持ってもらいたいと願い、番組作成を開始しました。これがきっかけで、世界や宇宙に希望を持ち、生きる楽しみを広げるきっかけになれば幸せです。内容はできるだけわかりやすくポップにお伝えしていますが、大人でも楽しんでいけるように本格的な内容を扱っています!
(キーワード:「痛快科学番組」を検索してね!)
チャンネル登録、よろしくお願いします!!!

Instagram:@gon.micro

【Health Blog】vol.20 「脂肪を燃やすのって、有酸素運動を長くしないとダメなの?」

「脂肪を燃やすためには有酸素運動をしなければいけない!そして、有酸素運動は20分以上続けなくてはいけない!」ということを聞いたことのある人は多いかもしれません。
果たして、これは本当なのでしょうか?

先に結論から言いますと、嘘では無いけど必ずしも本当ではない、ということになります。
つまり、有酸素運動をしないと脂肪の消費が全くないわけでもないし、有酸素運動を19分しかしなかった場合でも脂肪が消費されないわけではありません。

この部分をかいつまんで話すと以下の通りです。
1. 運動を開始した時点では、無酸素運動が主に行われ、酸素が無くてもエネルギー供給ができる方法を体のメタボリズムが優先する。
2. ある程度酸素供給が間に合う強度の運動(有酸素運動)を行っていると、よりエネルギーの供給率の高いメタボリズムが行われる。

これらの法則があるため、「脂肪が主なエネルギーの供給源となるには、有酸素状態のやや低~中強度の運動を中~長時間行う必要がある」ということになります。
そして、脂肪からエネルギーを取り出すためには、有酸素状態である必要があるため、息が切れるような無酸素状態では、燃料として使うことはできません。しかし、息が切れていたとしても酸素は常に取り入れられているため、エネルギー供給が間に合わず無酸素でも機能する方法が全力で使われていたとしても、全く酸素が入ってこない状況でなければ、脂肪もエネルギー源として僅かであっても使われる可能性はあります。
この話は、突き詰めていけば色々な説があって、かなり深い話になってしまいますが・・・今回は大まかな流れについてお伝えしたく思います。

********

■エネルギーって何?
食べ物からエネルギーを取り出す際のエネルギーとは何のことでしょうか?これは、体を動かすときに必ず必要で、十分なエネルギーが供給されないと細胞は死んでしまいます。
このエネルギーは、Adenosine Triphosphate (ATP)と呼ばれていて、図1(コメント)の化学式によって表されます。
ATPは、Adenosine Diphosphate (ADP)とInorganic Phosphate (Pi)によって成り立っていて、この2つをくっつけておくのにはエネルギーが必要になっています。
つまり、ATPをADPとPiに分解した時にエネルギーを取り出すことが可能になります。

「ATP=ADP+Pi+エネルギー」

食べ物を分解していくことで、ATPが生まれ、それをADPとPiとエネルギーに変換することで、エネルギーが消費されます。その際に、脂肪から効率よくエネルギーを取り出すことができれば、体から脂肪が減っていくという仕組みになっています。

■Krebsサイクルを使えるかどうかがエネルギー消費のカギ!
体を少しでも動かす際にはエネルギーが必要となりますが、脂肪を燃料として使っていくためには、それなりの時間が必要なのは既に述べました。そこで、まずはエネルギーの使われ方を確認しましょう(図2:コメント)。

有酸素状態を作っておくほうがカロリー消費が増える理由としては、図2の黄色い部分が説明しています。この部分は、合計で36個のATPを作り出すことができます。しかし、この黄色い部分のメタボリズムを活用する条件として、有酸素状態を維持することが挙げられています。

図2はグルコース(ブドウ糖)を分解してエネルギーに変換していく流れを表していますが、脂肪をエネルギー源とする場合は脂肪を分解してアセチル・コエンザイムAを作り出し、図中Krebs Cycleを有酸素状態で機能させます。

有酸素状態を保つことで、electron transport chainまで進めば、多くのATPを作ることが可能となります。これが、脂肪燃焼の仕組みとなります。
図3(表紙)に見られるように、Glycolysisと呼ばれるプロセスでまずはグルコースを分解します。これは細胞内で行われていますが、細胞内のミトコンドリアの外で行われています。また、このプロセスには酸素が必要とされていないので、無酸素運動においては、このGlycolysisが一つのエネルギー供給方法となります。もう一つの無酸素状態でのエネルギー供給は、クレアチンリン酸とADPを使って、ATPとクレアチンを作り出すプロセスも、無酸素で行うことが可能となります。いずれにしても、脂肪を燃料にしたエネルギー消費においては、図3のKrebs Cycleに脂肪から作り出したアセチル・コエンザイムAを投入する必要があります。この有酸素・無酸素状態に関しては、また追ってお伝えします。

最後に・・こうした食事からのエネルギー精製に加えて、メカニカルエネルギーについては、ISEALインソールが役立ちます。どういうことかというと、メカニカルエネルギーの効率を良くすることで、疲れにくく下肢関節を痛めにくい歩行やジョギングが可能になります。ぜひお試しください!

www.iseal-insole.net/jp

また、YouTubeで科学番組を始めました。タイムマシンやパラレルワールドなどの話から、電子レンジの仕組み、GPSの仕組みなど、身近なテクノロジーについての解説、さらにはエジソンなど歴史的な発明家の紹介など、様々な観点からゴンちゃんとミクロちゃんというコンビと共に解説しています。ぜひご覧ください!

https://www.youtube.com/channel/UCtLhCSgGvMYVr3haHItU-9Q
Instagram: @gon.micro

文責:Dr Hanatsu Nagano

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「バランスって何?」良いバランスの科学!【痛快科学番組】Vol.12

痛快科学番組!ゴンちゃん&ミクロちゃん ー世界と宇宙の秘密を明かす旅ー

■第12話のあらすじ■

ゴンちゃんとミクロちゃんは、インスタグラムのリールに投稿するため、ダンスの練習をしていました。ちょっぴりお腹が出てきたゴンちゃんは、いつも同じ振り付けの所で、つまずいてしまうのです。はなつ先生、良いバランスについて、教えて下さ~い!!https://youtu.be/OdUt5Fg_W8Y

■物語の内容■
タイムマシンを作り恐竜時代に行きたいネズミの「ミクロちゃん」。
食べ物の3Dプリンターを開発して食べ放題したい食いしん坊の犬っころの「ゴンちゃん」。
実は宇宙会議に呼ばれている科学者の「はなつ先生」。
科学の魅力を教えてもらいながら、地球や宇宙の神秘を知り、まだ明らかになっていない秘密に挑んで行く2匹と1人の科学旅番組!


《YouTube科学番組スタートしました!》

子どもや若者の科学離れを解決するために、今までわかっていることや、これから明らかにしてほしいことを織り交ぜながら、科学に興味を持ってもらいたいと願い、番組作成を開始しました。これがきっかけで、世界や宇宙に希望を持ち、生きる楽しみを広げるきっかけになれば幸せです。内容はできるだけわかりやすくポップにお伝えしていますが、大人でも楽しんでいけるように本格的な内容を扱っています!

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【Health Science Blog】Vol.19 「膝を壊さない着地の方法って何?前十字靭帯断裂を予防する。足首のメカニズム。」

前十字靭帯の断裂は、膝の怪我としてはかなりの重症で、100%機能を回復するのが難しい怪我でもあります。
怪我を完全に予防することは不可能ですが、膝にかかる衝撃を和らげる工夫をすることで、怪我のリスクを下げることは可能となります。前十字靭帯の断裂は、特にジャンプして着地した時に起こることが多い怪我でもあります。絶対的な衝撃がかかれば、前十字靭帯を断裂する危険は高まります。
それ以外にも、大腿骨・脛骨が過度に捻られるような力が働けば、靭帯が伸びたり、断裂したりする危険性はあります。

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■衝撃吸収のバイオメカニクス
前十字靭帯断裂を起こす際には、例えば急な方向転換など、図2の大腿骨と脛骨の捻りが原因になることは多々ありますが、それ以外にも単に衝撃が強すぎて靭帯が耐えられずに断裂することもあります。その場合は、ジャンプで着地した時などにリスクが高まりますが、この衝撃を和らげるにはどのような方法があるのでしょうか?

まず、着地と同時に地面からの衝撃は足に伝わり、その際は足底部や足首に衝撃が伝わります。その後、衝撃は脛骨を伝わり膝関節まで届きます。これらの衝撃をどこか一か所で吸収しようとすると、当然その場所への負担が高まってきて、怪我に繋がるリスクが高まります。

この中で、最初に考えるべきことは足首の動きになります。例えば、大腿四頭筋は衝撃吸収の効果はありますが、これだけを使うと膝にかかる負担が高まる可能性が増えます。よって、まずは足首の動きによって、衝撃をどこまでコントロールできるかが大切になります。

結論から話すと、「足首の底屈による伸張性収縮→受動的な背屈」を行うことが大切になります。

ジャンプからの着地を含む「着地」は基本的につま先立ちから入ることが多いので、底屈筋を使っています。この脹脛の筋肉を使いつつ、足首を徐々にフラットにしていく過程で、衝撃を吸収することが可能になります。さらに、足がフラットになったと同時に余剰のエネルギーの分散方法として、脛骨を前に回転させていくことが大切になります。これによって、余剰エネルギーをさらに吸収することができます。背屈とは、つま先を上げる動きですが、この場合は、つま先を上げるというよりは、脛骨が前方に回転することで、背屈状態が生まれているため、受動的な背屈と表現されます。

想像しやすい部分ですが、受動的な背屈(つまり脛骨が前方に回転する)が起こると、膝の屈曲も同時に起こりやすくなります。それによって、さらに余剰の衝撃を大腿四頭筋で吸収することが可能になります。

衝撃吸収の流れとしては、足首と膝をこのように使い、各筋肉群の伸張性収縮が役立ちますが、タイミングも重要になります。つまり、最初に底屈筋群にあたる脹脛の筋肉で衝撃を吸収してから足がフラットになった瞬間に前方への受動的な背屈を発動させ、その衝撃を足首や膝にかけることなく、大腿四頭筋の伸張性収縮につないでいく必要があります。
このタイミングを間違えると、結局怪我に繋がるので、この辺りも大切な要素となります。

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■具体的に何をすると良いの?
それでは、具体的に何をすれば、前十字靭帯断裂のリスクを下げることができるのでしょうか?バイオメカニクスの観点から、簡単にできることのみを以下に列挙してみます。もちろん、これらを行うことで100%リスクを回避できるわけではありませんが、同時に行うことで怪我のリスクを下げることは可能です。前十字靭帯断裂は重症で完治まで時間がかかり、場合によれば完治しないこともあるので、実践してみてください。

1. 減量をする:体重と着地時の衝撃は高い相関性があります。下肢関節への負担を減らすには、体重を減らすことが重要になります。
2. 足首の可動域を増加する:上述した底屈筋群の伸張性収縮においても、受動的な背屈においても、足首の可動域が重要になります。意識的に可動域を上げるためのストレッチを行いましょう。
3. クッション性のある履物:衝撃の絶対量を減らすためには、クッション性のある靴を使用することも重要になります。
4. 十分な休息を取る:ジョギングやウォーキング、あるいは他のスポーツをたくさんした際には、靭帯に大きな負担がかかっていることも多くなります。無理して続けていると、ある日耐久力が無くなった靭帯が損傷するリスクが生じます。
5. 食事・睡眠など:靭帯や筋肉などを強化するには、適切な食事と損傷した組織の回復に必要な休息が必要になります。タンパク質は必要になりますが、併せてビタミン(C/Dなど)も必要となります。さらに、適度な睡眠は重要で、成長ホルモンの出る0時~2時には就寝していることが推奨されます。

最後に、
膝への衝撃を減らすための足首の使い方をサポートするISEALインソールの活用をジョギング・ウォーキング、その他の運動をする際にはご利用ください。

また、物理や健康を始めとした様々な科学について、分かりやすく解説したYouTube番組を作成しました。犬のゴンちゃんとネズミのミクロちゃんというコンビが、宇宙の謎を解き明かしていくストーリー仕立てになっています!少しずつビデオ編集技術が上がり、楽しくなってきていますので、YouTubeのチャンネル登録とご視聴のほどお願いいたします。

文責:Dr Hanatsu Nagano

Fong, C., Blackburn, JT., Norcross, MF., McGrath, M., Padua, DA. 2011. Ankle-dorsiflexion range of motion and landing biomechanics. Journal of Atheletic Training, 46 (1): 5-10.
Andriacchi, TP., Dyrby, CO. 2005. Interactions between kinematics and loading during walking for the normal and ACL deficient knee. Journal of Biomechanics, 38: 293-298.

「胃腸が元気なら人生バラ色」【痛快科学番組】Vol.11

痛快科学番組!ゴンちゃん&ミクロちゃん ー世界と宇宙の秘密を明かす旅ー

■第11話のあらすじ■
ゴンちゃんが抽選で当てた、ホテルのビュッフェを食べに、はなつ先生とミクロちゃんと共に出かけました。「みんなで食べるとおいしいね♪」と大はしゃぎ!がっつきすぎたゴンちゃんは、急にお腹が痛くなってしまいました。正しい食べ方ってあるのかな?https://youtu.be/TMKVxwwfLIo

■物語の内容■
タイムマシンを作り恐竜時代に行きたいネズミの「ミクロちゃん」。
食べ物の3Dプリンターを開発して食べ放題したい食いしん坊の犬っころの「ゴンちゃん」。
実は宇宙会議に呼ばれている科学者の「はなつ先生」。
科学の魅力を教えてもらいながら、地球や宇宙の神秘を知り、まだ明らかになっていない秘密に挑んで行く2匹と1人の科学旅番組!

《YouTube科学番組スタートしました!》

子どもや若者の科学離れを解決するために、今までわかっていることや、これから明らかにしてほしいことを織り交ぜながら、科学に興味を持ってもらいたいと願い、番組作成を開始しました。これがきっかけで、世界や宇宙に希望を持ち、生きる楽しみを広げるきっかけになれば幸せです。内容はできるだけわかりやすくポップにお伝えしていますが、大人でも楽しんでいけるように本格的な内容を扱っています!

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【Health Science Blog】Vol.18 「脂肪を燃やすのって、有酸素運動を長くしないとダメなの?」

「脂肪を燃やすためには有酸素運動をしなければいけない!そして、有酸素運動は20分以上続けなくてはいけない!」ということを聞いたことのある人は多いかもしれません。
果たして、これは本当なのでしょうか?

先に結論から言いますと、嘘では無いけど必ずしも本当ではない、ということになります。
つまり、有酸素運動をしないと脂肪の消費が全くないわけでもないし、有酸素運動を19分しかしなかった場合でも脂肪が消費されないわけではありません。

この部分をかいつまんで話すと以下の通りです。
1. 運動を開始した時点では、無酸素運動が主に行われ、酸素が無くてもエネルギー供給ができる方法を体のメタボリズムが優先する。
2. ある程度酸素供給が間に合う強度の運動(有酸素運動)を行っていると、よりエネルギーの供給率の高いメタボリズムが行われる。
これらの法則があるため、「脂肪が主なエネルギーの供給源となるには、有酸素状態のやや低~中強度の運動を中~長時間行う必要がある」ということになります。

そして、脂肪からエネルギーを取り出すためには、有酸素状態である必要があるため、息が切れるような無酸素状態では、燃料として使うことはできません。しかし、息が切れていたとしても酸素は常に取り入れられているため、エネルギー供給が間に合わず無酸素でも機能する方法が全力で使われていたとしても、全く酸素が入ってこない状況でなければ、脂肪もエネルギー源として僅かであっても使われる可能性はあります。
この話は、突き詰めていけば色々な説があって、かなり深い話になってしまいますが・・・今回は大まかな流れについてお伝えしたく思います。

********
エネルギーって何?
食べ物からエネルギーを取り出す際のエネルギーとは何のことでしょうか?これは、体を動かすときに必ず必要で、十分なエネルギーが供給されないと細胞は死んでしまいます。
このエネルギーは、Adenosine Triphosphate (ATP)と呼ばれていて、図1の化学式によって表されます。

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ATPは、Adenosine Diphosphate (ADP)とInorganic Phosphate (Pi)によって成り立っていて、この2つをくっつけておくのにはエネルギーが必要になっています。
つまり、ATPをADPとPiに分解した時にエネルギーを取り出すことが可能になります。

「ATP=ADP+Pi+エネルギー」
食べ物を分解していくことで、ATPが生まれ、それをADPとPiとエネルギーに変換することで、エネルギーが消費されます。その際に、脂肪から効率よくエネルギーを取り出すことができれば、体から脂肪が減っていくという仕組みになっています。
Krebsサイクルを使えるかどうかがエネルギー消費のカギ!
体を少しでも動かす際にはエネルギーが必要となりますが、脂肪を燃料として使っていくためには、それなりの時間が必要なのは既に述べました。そこで、まずはエネルギーの使われ方を確認しましょう(図2)。

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有酸素状態を作っておくほうがカロリー消費が増える理由としては、図2の黄色い部分が説明しています。この部分は、合計で36個のATPを作り出すことができます。しかし、この黄色い部分のメタボリズムを活用する条件として、有酸素状態を維持することが挙げられています。

図2はグルコース(ブドウ糖)を分解してエネルギーに変換していく流れを表していますが、脂肪をエネルギー源とする場合は脂肪を分解してアセチル・コエンザイムAを作り出し、図中Krebs Cycleを有酸素状態で機能させます。
有酸素状態を保つことで、electron transport chainまで進めば、多くのATPを作ることが可能となります。これが、脂肪燃焼の仕組みとなります。

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図3に見られるように、Glycolysisと呼ばれるプロセスでまずはグルコースを分解します。これは細胞内で行われていますが、細胞内のミトコンドリアの外で行われています。また、このプロセスには酸素が必要とされていないので、無酸素運動においては、このGlycolysisが一つのエネルギー供給方法となります。もう一つの無酸素状態でのエネルギー供給は、クレアチンリン酸とADPを使って、ATPとクレアチンを作り出すプロセスも、無酸素で行うことが可能となります。いずれにしても、脂肪を燃料にしたエネルギー消費においては、図3のKrebs Cycleに脂肪から作り出したアセチル・コエンザイムAを投入する必要があります。この有酸素・無酸素状態に関しては、また追ってお伝えします。

最後に・・こうした食事からのエネルギー精製に加えて、メカニカルエネルギーについては、ISEALインソールが役立ちます。どういうことかというと、メカニカルエネルギーの効率を良くすることで、疲れにくく下肢関節を痛めにくい歩行やジョギングが可能になります。ぜひお試しください!

また、YouTubeで科学番組を始めました。タイムマシンやパラレルワールドなどの話から、電子レンジの仕組み、GPSの仕組みなど、身近なテクノロジーについての解説、さらにはエジソンなど歴史的な発明家の紹介など、様々な観点からゴンちゃんとミクロちゃんというコンビと共に解説しています。ぜひご覧ください!

文責:Dr Hanatsu Nagano

「ロボット先生の未来予測」AI【痛快科学番組】Vol.10 痛快科学番組!ゴンちゃん&ミクロちゃん ー世界と宇宙の秘密を明かす旅ー

■第10話のあらすじ■
ゴンちゃんとミクロちゃんは、色んなことを教えてくれる「はなつ先生」が大好き!先生の真似をして遊ぶことも度々あります。今日は、パラダイムシフトについてお話ししてくれました。科学にとって代わるコアな哲学って何だろう??
https://youtu.be/aZ-hnSzHVdQ

■物語の内容■
タイムマシンを作り恐竜時代に行きたいネズミの「ミクロちゃん」。
食べ物の3Dプリンターを開発して食べ放題したい食いしん坊の犬っころの「ゴンちゃん」。
実は宇宙会議に呼ばれている科学者の「はなつ先生」。
科学の魅力を教えてもらいながら、地球や宇宙の神秘を知り、まだ明らかになっていない秘密に挑んで行く2匹と1人の科学旅番組!

《YouTube科学番組スタートしました!》

子どもや若者の科学離れを解決するために、今までわかっていることや、これから明らかにしてほしいことを織り交ぜながら、科学に興味を持ってもらいたいと願い、番組作成を開始しました。これがきっかけで、世界や宇宙に希望を持ち、生きる楽しみを広げるきっかけになれば幸せです。内容はできるだけわかりやすくポップにお伝えしていますが、大人でも楽しんでいけるように本格的な内容を扱っています!

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チャンネル登録、よろしくお願いします!!!